作業療法士って名前は聞くけど、どんな仕事をしているの?

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聞いたことはあるけど・・・作業療法士ってなに?

こんにちは。作業療法士のおとです。
精神科や心療内科に通っているなかで、リハビリを受けたり、デイケア・訪問サービスを利用している方もいるでしょう。そのなかで【作業療法士】という言葉を一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?
前回の記事で、【作業療法士は精神疾患リハビリのスペシャリスト】とご紹介しました。
しかし、リハビリというと運動するイメージが強いのではないでしょうか?
実は作業療法士というのは認知度が低く、仕事内容を理解されていないと実感することが多々あります。
そこで、作業療法士とは何者で、どのような仕事をしているのかを説明していきたいと思います。

作業療法士(occupational therapist)とは?

作業療法士(occupational therapist 以下:OT)は、けがや病気などで障がいを負った人に対して、日常生活で行われるさまざまな「作業」を通して、日常生活に必要な能力を高めるリハビリを行う専門職です。OTは、身体的な能力を回復させるだけでなく、精神的なケアも行い、患者がその人らしい生活を送れるようにサポートします。
ちなみに、私自身が考える作業とは、

基本動作能力:運動、感覚、精神・認知などの心身機能
応用的動作能力:トイレ、家事など、日常生活の活動 、趣味
社会的応用能力:地域活動への参加、就学・就労

生活に関わること全てにおいて、「その人らしく」生きることだと思っています。

作業療法士になるには?

  1. 作業療法士の養成校に入学:まず、作業療法士の養成課程がある大学、短期大学、または専門学校に入学します。養成校で3年以上学び、所定の単位を取得する必要があります。
  2. 国家試験の受験資格を取得:養成校を卒業すると、作業療法士国家試験の受験資格が得られます。
  3. 国家試験に合格:作業療法士国家試験に合格することで、作業療法士の資格を取得できます。合格率は70%~80%前後と比較的高いですが、しっかりとした準備が必要です。
  4. 作業療法士として勤務:国家試験に合格した後、医療施設や介護施設などで作業療法士として働き始めます。

また、学生時代には実習を義務付けられています。私は大学全体で7~8か月ほど、現場での実習がありました。

作業療法士が働く場所

  1. 病院:急性期・回復期・療養型・精神科病院などで、患者の機能回復や日常生活への復帰を支援します。
  2. 介護施設:介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションなどで、高齢者や障がいのある方に対して生活能力の維持・向上をサポートします。
  3. 児童福祉施設:児童発達支援センターや障害児入所施設などで、発達障害や肢体不自由のある子どもたちの生活動作や社会参加を支援します。
  4. 障害者施設:障害福祉サービス施設で、利用者の自立生活や就労支援を行います。
  5. 特別支援学校:発達障害や肢体不自由のある子どもたちに対して、作業活動を通じた支援を行います。
  6. 一般企業や行政機関:保健所や市役所などで、認知症や介護予防の推進、発達のお悩みや相談業務などを行います。

上記のように、多岐にわたった場所で働いています。現在では行政や地域、発達分野など、非常に多くの場所で作業療法士が必要とされる場面が増えています。

作業療法士の仕事

  1. 身体のリハビリテーション:病気やけがで身体に障がいがある人に対して、関節を動かす、筋力を向上させる訓練などを行います。例えば、食事や入浴、着替えなどの日常動作を自分でできるようにサポートします。
  2. 精神のリハビリテーション統合失調症やうつ病、双極症などの精神障がいを持つ人に対して、料理や手芸、園芸などの作業を通じて心のケアを行います。これにより、生活の見直しや自信をつけるサポートをします。
  3. 発達期のリハビリテーション:発達障がいのある子どもに対して、日常動作や社会生活技能の発達を促すサポートを行います。遊びを通じて、運動や道具の使い方を教えることが多いです。
  4. 老年期のリハビリテーション:高齢者に対して、運動機能や認知機能の低下を防ぐためのサポートを行います。介護施設では、現状の機能を維持し、生活の質を向上させるためのリハビリを行います。

作業療法士は患者さん一人ひとりの状態やニーズに合わせて、個別のプログラムを作成・実施します。また、医師や理学療法士、言語聴覚士などの他職種と連携しながら、総合的なリハビリテーションを提供します。

まとめ:作業療法士の仕事は多岐にわたる

作業療法士は「作業」を通して、その人らしく生活ができるよう支援していきます。
双極症に関しては、今までの人生を振り返ったうえで、生活リズムを整えたり、その人が目指す社会参加を目指して介入していくことになります。この件は別の記事でご紹介していきます。
OTは色々な場所で働いていて、どの年代・障がいを持つ方の手助けや支えになればと思っています。
作業療法士のことを、少しでも理解していただけると嬉しいです。

参考URL

作業療法士ってどんな仕事?|日本作業療法士協会 (jaot.or.jp)
作業療法士の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介 | 作業療法士の仕事・なり方・年収・資格を解説 | キャリアガーデン (careergarden.jp)

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