双極性障害(双極症)からの社会参加:精神科デイケアってどんな場所?
双極症Ⅱ型当事者、作業療法士のおとです。
皆さんは「デイケア」という言葉を知っていますか?
人によっては通っている方、医療職などに勧められている方もいるでしょう。
「デイケアって何をするの?」
「ちょっとハードルが高そうだし、なんか怖いなぁ・・・。」
こんな感情を抱く方も多いかもしれませんね。
そこで、今回は精神科デイケアはどんな場所か、お伝えしていきたいと思います。
少しでも参考になると幸いです。では早速、見ていきましょう!
精神科デイケアとは?
精神科デイケアは、精神障害を持つ方が日常生活の安定や社会復帰を目指して通うリハビリテーション施設です。
場所によって違いはありますが、一般的な目的やプログラムは以下の通りです。
目的
- 生活リズムの改善: 規則正しい生活を送るためのサポート。
- 対人関係スキルの向上: コミュニケーション能力を高めるためのトレーニング。
- 再発防止: 症状の再発を防ぐための支援。
プログラム内容
- 文化系プログラム: アートや音楽、手工芸などの活動。
- 運動系プログラム: 軽い運動やスポーツを通じた体力作り。
- SST(ソーシャルスキルトレーニング): 社会的スキルを学ぶトレーニング。
- 心理教育: 病気やストレス管理についての教育。
- 就労支援: 就職や職場復帰を目指すためのサポート。
利用時間としては、おおよそ7~8時間程度。場所によっては食事が提供されたり、送迎サービスがあったりします。
上記のプログラムをずっと行ったり、強制参加する必要はなく、自由時間も設けられています。興味のないプログラムであれば参加せず、自由に過ごすことが可能な場所が多いです。
精神科デイケアは、病院やクリニック、保健所などで実施されており、専門スタッフがサポートしてくれます。利用者の状態や目標に合わせたプログラムが提供されるため、個々のニーズに応じた支援が受けられます。
ショートケアとナイトケアって聞いたことあるけど、何をするの?
ショートケアってなに?
ショートケアは利用時間がおよそ3時間程度であるものの、デイケアと同じプログラムを受けることができます。
体力に自信がない、人がいる環境がまだしんどい、という方は利用を検討されてもいいでしょう。
お試し感覚でショートケアに通ってみるのもいいかもしれません。
ナイトケアとは?
デイケアの利用時間にプラスして、夕方の部があると考えてください。
例えば9時~19時みたいな形です。
ナイトケアを利用することによって、体力の向上やストレス解消法などを学びます。
基本的に仕事や家事などの社会参加は日中がほとんど。
その疲労やストレス、自動思考等を自身で対処する、生活リズムを整える、といったことをナイトケアで学びます。
デイケアに行くにはどうしたらいい?
精神科デイケアを利用するためには、以下の手順を踏むことが一般的です。
- 主治医や専門の医療スタッフに相談: まずは、現在の主治医や精神科の専門スタッフに相談し、デイケアの利用が適切かどうかを確認します。
- デイケア施設の紹介: 主治医から適切なデイケア施設を紹介してもらいます。
- 事前面接: 紹介されたデイケア施設で事前面接を受けます。ここで、利用者の状態や目的に合ったプログラムが提供されるかどうかを確認します。
- 利用開始: 面接後、利用者の状態や目的に合ったプログラムへの参加が決定され、デイケアの利用が開始されます。
また、デイケアの利用には主治医の同意が必要ですので、まずは主治医に相談することが重要です。
まとめ:個人的なデイケアへの意見
精神科デイケアを説明しましたが、イメージできたでしょうか?
生活リズムを整える、体力・忍耐力・環境への適応、コミュニケーション技能の獲得、ストレス対処。
利用することで、様々な面から自身を見直し、症状の安定に近づく可能性が高くなります。
医療職が情報共有しているため、利用者本人が安心できる環境も整っていると思います。
また、多くの場所で、正式な利用前に「お試し利用」ができると思います。
場所によっては、年齢層や雰囲気が合わない、やりたいプログラムがない
といったことがあるので、ぜひお試し利用をしてどうするか検討してみてください。