双極症の方における睡眠の考え方

皆さんは睡眠時間ある程度一定になっていますか?
双極症(双極性障害)の方にとって、睡眠の状態=病気の状態を表しています。
睡眠時間の獲得や睡眠の質向上が病状を決めているといっても過言ではありません。
そこで、今回は作業療法士目線で、睡眠の整え方についてお伝えします。
1.睡眠の状態=双極症(病気)の状態を表す
人間の体内時計(概日リズム)は約25時間に設定されており、日光を浴びることで約24時間に調整されます。
そのため、生活リズムが段々と崩れていき、夜になっても眠れないといったことが起きます。
また、双極症においては睡眠の状態=病気の状態を表しています。注意する点としては、
・うつ状態の初期では、睡眠時間が長くならないように注意する。
・軽躁や躁状態の初期では、十分な睡眠時間を確保する。
躁状態では睡眠時間の減少が起きやすいため、忙しいときでも予防として睡眠時間を確保することが大切です。
うつ状態では眠れなくて辛い「不眠」や、逆にたくさん寝てしまう「過眠」を伴う場合があります。
過眠の対処としては、寝床で過ごす時間を少なくして座っている時間を減らす。
不眠の場合はまず寛解状態を目指し、生活習慣を整え、最後に睡眠導入薬の検討をお勧めします。主治医と相談してみてください。
2.ネット心理教育版の睡眠覚醒リズム表をつけてみる

睡眠覚醒リズム表は、毎日の「寝た時間」や「起きた時間」、さらにはその日の気分や活動内容を記録するものです。
読者のなかには、既存のものを利用して、実際に記録している方もいるかもしれませんね。
既存のものを利用している方と多いと思います。
ネット心理教育では、双極症の認知行動療法に基づいた睡眠覚醒リズム表での記録を推奨しています。
なぜ睡眠覚醒リズム表を記録するのか
これは自身の生活リズムや睡眠時間を客観視しながら理解できるからです。
医療者としては簡単に申し上げると、短い診察・リハビリテーションの時間内で「一目で患者さんの生活を知ることができる」というメリットがあります。生活リズムが長期間乱れているような記録であれば、病状がまだ不安定と判断しています。
既存版と比較したネット心理教育版の良い点
ネット心理教育版では双極症の方向けに作成しています。
そのため、既存版よりも双極症の方にとって良い点がいくつもあります。簡単にまとめると、
・服薬時間を記録(★印)できる
・気分の変動(躁状態・うつ状態っぽいかを数字で)を記入できる
・睡眠時間だけでなく、眠れる床についていた時間を記入できる
・↑活動↓活動を何時間したか記入できる
↑活動、↓活動とは、ネット心理教育が独自に使っている言葉です。
↑活動は気分が下がっているときに上げるような活動をすること。
↓活動は気分が上がっているときに下げるような活動をすることです。
ネット心理教育版の睡眠覚醒リズム表について知りたい方へ
ネット心理教育版の睡眠覚醒リズム表は【ワーク:当事者ができること】の参加者にPDFでお渡ししています。
睡眠覚醒リズム表は1人で記録するには根気のいる作業で、難しいものです。
ワーク内では【睡眠覚醒リズム表の記録方法】や【↑活動、↓活動って何?みんなで考えよう】などを行っています。
人気のあるワークで、基本的に毎月第2週に行っていることが多いです。
次回は3月9日の開催予定です。3月のお申し込みページはただいま作成中です。
もしご興味のある方は以下から登録していただき、ページができ次第参加申し込みをしてみてください。
ネット心理教育(双極性障害) | Peatix
ページができた場合は以下からお知らせしています。
event – ネット心理教育ピアサポート~双極症の総合情報サイト~
終わりに
双極症の方の睡眠の状態=病気の状態を表しています。
睡眠に悩む当事者の方は多く、苦痛を伴っている方がほとんどです。
主治医に相談したり、ワークに参加して睡眠覚醒リズム表の記入方法を学んでみてください。
参考サイト
・睡眠・覚醒リズム表02042012.xlsx
・ゼミ・ワークについて – ネット心理教育ピアサポート~双極症の総合情報サイト~