作業療法士が勧める双極症の【動きながら気分の波を整える】方法

双極症の特徴には気分の波があります。うつっぽくなり、何もやる気が起きないこともあれば、躁よりになって落ち着かないことを経験した方もいるでしょう。
気分の波に振り回されると、不安になったり、自分を責めたりしてしまうことも。
でも、実は“ちょっとした動き”を取り入れることで、気分を整えられるかもしれません。
今回は作業療法士の視点から、日常生活の中で無理なくできる「動きながら気分の波を整える方法」をご紹介します。

目次

動きながら気分の波を整える方法

気分が沈んでいる、あるいは高まっていることを放置しておくと、【うつ期】や【躁・軽躁期】に移行しやすく、自身や周囲が辛い・苦しい状況になります。社会的損失も問題です。早めに対処することが何よりも重要です。

気分が沈んでいる(うつっぽい)とき

気分が沈んでいるときには、【気分が上がるような行動】をすることが大切です。例として、

外に出る:億劫ですが、太陽の光を浴びることで気分は整いやすいです。曇りや雨の日でも十分効果はあります。【散歩をする】のも大事ですが、【無理のない範囲で外に出る】ことが何よりも大切です。
軽いストレッチ:気分が沈むと自然と身体もこわばります。少しでもストレッチをするだけも気分は変わります。
好きなことをする嫌なことよりも好きなことの方が気分は上がりやすいのは皆さんも実感しやすいのではないでしょうか。テレビや読書、映画など好きなことをしてみましょう。

気分が高まっている(躁・軽躁っぽい)とき

気分が高まっているときには、【気分を落ち着かせるような行動】をすることが大切です。例として、

スケジュール調整:普段と比べて1日の予定が増えている場合は注意が必要。躁への移行を防ぐためにも、【積極的な休暇】が必要です。急ぎではないものは調整しましょう。
のんびり過ごす:人混みや刺激のあることは避けましょう。自宅で過ごすのもよし、公園や散歩で季節を感じるのもいいですね。

動く時の注意点

双極症の方は「やらなきゃ」といった完璧主義の方が多いです。負担に思わず、無理のない範囲で、「ちょっとだけ動いてみよう」という気持ちで大丈夫です。【時にはやらない】といった練習もしてみましょう。
「今日は何もできなかった…」と落ち込む必要はありません。双極症でなくても、気分の波があるのは自然なこと。「続けなきゃ」と思うより、「できるときにやる」くらいの気持ちが大切です。

まとめ

気分の波を【上げる方法】と【落ち着かせる方法】は人によって異なります。動いたあとに、「気持ちが少し楽になった」「スッキリした」などの変化があるか観察してみましょう。「この動きは合っている」「これは変わりなかったな」と気づくことで行動を修正してみましょう。
これらの内容をネット心理教育ではzoomを利用したワークとして参加者の皆さんと考える機会を作っています。
04月20日(日)【ワーク】消火器カードを作ろう 開催 – ネット心理教育ピアサポート~双極症の総合情報サイト~
一人で考えるよりも皆さんで考えるほうが負担が少なく、新たな発見があるでしょう。双極症の当事者同士と交流を持てるいい機会です。顔出しや発言も自由で敷居は低いです。私も時々、講師として参加しています。
毎月開催していますので、皆さんもぜひ参加してみてくださいね。

参考サイト

双極性障害と日常生活の管理 – 【公式】大阪の就労移行支援事業所ならキャリスタ|新大阪・梅田・心斎橋の3拠点
うつ病と運動|気分を安定させるための簡単エクササイズ|名古屋,心療内科,精神科,メンタルクリニック,土日診療

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この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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