【双極症と付き合うために】訪問看護でのリハビリって何をするの?

双極症の当事者で作業療法士のおとです。私は現在、通所リハビリや訪問リハビリ業務を行っています。
今回は「訪問看護でのリハビリって何をするの?」というテーマで、作業療法士としての立場からお話ししたいと思います。

まず初めにお伝えしておくと、私は実はこれまで訪問看護を自分自身が利用したことはありません。しかし、作業療法士として訪問看護に携わっています。そんな背景を踏まえながら、読んでいただけると幸いです。

目次

訪問看護ってどんなサービス?

訪問看護とは、看護師や作業療法士などの専門職が自宅に訪問し、健康管理や生活の支援などを行うサービスです。
利用するには「主治医からの指示書」が必要です。

受診時間は10分あればいいところ。健康状態だったり、日常生活で不安に思うこともあるでしょう。
病院は【治療する場所】というイメージがありますが、訪問看護は【暮らしを支えるサービス】なんです。
精神科訪問看護では、たとえばこんなことをしています。

・身体状態、服薬状況の確認
・生活リズム(睡眠など)の定期的な確認
・気分の波や症状の振り返り、対策
・生活などに対しての不安の共有
・家族支援やアドバイス


訪問看護での「リハビリ」って?

訪問看護でのリハビリは【あくまでも看護としてのリハビリ】
運動をするだけでなく、「その人らしい生活をサポートし、今後に繋げていく」ことを大切にしています。
たとえばこんな支援があります。

・朝起きて、夜眠れるような生活リズムをするための活動を一緒に考える
・洗濯や料理などの家事が無理なくできるように支える
・気分が安定しているときに行える趣味や外出の時間を一緒に考える
(訪問時間内で散歩など外に出るのもあり)
・就労や復職などの社会復帰に向けて、準備や段階的な練習を行う

双極症では、「気分が安定している時期」こそ、少しずつ生活を整えるチャンスになります。でも、一人ではなかなかうまくいかないこともありますよね。
そこで、看護師や作業療法士といった専門職が一緒に考え、身体状態を観察しながら行動を後押ししてくれるのが訪問看護のリハビリなのです。

訪問看護を利用するメリット

訪問看護には、いくつかの大きなメリットがあります。

  1. 自宅で安心して支援が受けられる
     慣れた自宅で支援が受けられるため、緊張しにくく、無理なく関われます。
  2. 早めの気づきと対応ができる
     気分の変化や生活の乱れを、定期的な関わりの中で早めに発見し、悪化を防ぐことができます。
  3. 自分に合ったペースで進められる
     その人の生活やリズムに合わせて、無理のない範囲で支援が受けられるのも大きな特徴です。
  4. 医療保険が使える
     医療保険で利用でき、自立支援医療制度を併用すれば、費用の自己負担は1割に。経済的にも利用しやすくなります

まとめ

双極症を患う私たちにとって、【再発】は怖いものです。うつ・躁・寛解など状態を問わず、不安や焦りも強いでしょう。
そんなときには「訪問看護」といって、医療専門職のサポートを受けることができます。
訪問看護は、あなたの「ふつうの暮らし」を一緒に守ってくれる味方になってくれるかもしれません。
もし「どう生活を整えていけばいいか分からない」「気分の波に振り回されがち」と感じていたら、まずは主治医や相談窓口で訪問看護のことを聞いてみてください。

参考サイト

精神科訪問看護ステーションで活躍する作業療法士
精神科訪問看護でできることは?サポート内容や具体的な事例をご紹介!

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この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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