双極症を受け入れるってどういうこと?制度の申請で気づいた本音とは

おと

双極症Ⅱ型の当事者で
作業療法士のおとです。

休職してから1カ月。
体調は大分回復してきましたが、退職することにしました。
この件については、次回以降に書きたいと思っています。
今回体調を崩し、休職・退職になったのをきっかけに制度の申請を決めました

・障害年金
・自立支援医療制度
・精神障害者手帳
・奨学金の返還猶予
・保育園に提出する診断書

そのなかで、「双極症(障害)を受け入れること」について考えさせられました。
心のなかを見せるようで恥ずかしいですが、ちょっと書いてみようと思います。

目次

「障害を受け入れていたつもり」だった私

双極症と診断されてから、私は“自分の病気を受け入れている”と思っていました。
診断された時も「ショック」よりも「ホッとした気持ち」が強かったです。
服薬も欠かさず、気分の波を早めに察知して対処する。
生活リズムも乱れないように整える工夫もしています。
症状が長期間安定してきたなかで、

おと

私は双極症という病気を受け入れた!

と感じていました。
しかし、今回体調を崩したことにより、そうではないことに気づきました。

制度利用の手続きを前にして感じた「抵抗感」

その気づきは、今回体調を崩したことで、障害年金や精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療の申請をしようとした時に訪れました。

・障害年金を申請し、通れば受給できるかもしれないこと
・精神障害者手帳の申請が通れば、税金や施設の利用などで優遇されること

これらをメリットと感じて申請を決めたのは事実です。

おと

でも、
・制度利用の申請をする
・認定されたら年金・手帳を受け取る
ことは「自分は障害者である」
ということを自治体から認められるということ。

それが急に、重く感じられたのです。

これまで双極症を“受け入れていた”はずなのに。
いざ「制度を利用する」となった瞬間に、自分の中の「認めたくない気持ち」が顔を出してきたのです。

「自分はもう、障害をちゃんと受け入れた」と感じていたのです。

「受け入れる」とは、簡単な言葉では表せないもの

この経験から、私は「障害を受け入れる」という言葉の難しさを改めて考えるようになりました。

・病気を受け入れること
・治療方法を勉強すること
・気分の波に対処すること
・制度の利用を決めること

これらすべてをしていて、時間が経ってもまだ【心のどこかで認めたくない自分】がいるかもしれない。
でも、それでいいのだと思います。
受け入れる」とは、【人生のなかで何度も繰り返し襲ってくる不安に正直になること】だと思うからです。

私は今、「自分は病気なんだ」と改めて思い知らされています。
年内には子どもが産まれてくるという事実。
妻は「ゆっくり休みな」と言ってくれて、凄く恵まれていると思います。
でも、やっぱり「情けないな」と思います。
なんとも言えない気持ちです。

終わりに

診断を受けたばかりで戸惑っている、闘病していても受け入れられない。
そんな気持ちになることは当たり前です。
「すぐに受け入れなくていい」と、どうか自分に優しく言ってあげてください。

今後も【障害を受け入れること】はできないのかもしれない。
でも、時間と経験を通して少しずつ受け入れられるのかもしれません。

私も本当に受け入れるには、まだまだ時間がかかりそうです。
いつの日か、【心から自信がもてる】日がくるといいなと思います。

ゼミなどのお休みのお知らせ

2025年7月〜9月の期間、ネット心理教育のゼミ・ワーク・輪読会をお休みさせていただきます。
布団ちゃんの博士論文の提出期限や、学会発表のタイミングが重なり、致し方なく涙を飲んだ結果です。
楽しみにしてくれていた方には、大変申し訳なく思っております。
とにかく頑張ってこの時期を乗り越えます。

NPO法人ネット心理教育ピアサポート 一同 (まどっち・布団ちゃん)

コラムの更新をメールで通知

メールアドレスを登録すれば、コラム更新をメールで受信できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

さらにキーワードで検索したい方はこちら!

この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

目次