お盆明け、ちょっと元気すぎ?「躁かも」と思ったときの対処法

おと

双極症Ⅱ型当事者、作業療法士のおとです。

お盆などの長期休暇が終わると、また日常生活が戻ってきますね。
「よし、今日からまた頑張ろう!」と気合が入るのはいいことです。
ですが、ちょっと元気すぎるな?と感じたら、それは「躁っぽさ」のサインかもしれません。

今回は、【長期休暇明けに“気分が上がりすぎてしまう】とき、どんなことに気をつけたらよいかをお伝えします。

目次

なぜ休暇明けに「躁」に注意が必要?

双極症というと、うつ状態のつらさが注目されがちですが、実は「躁状態」も見過ごせない問題です。

長期休暇明けは、

・テンションが高くなりやすい
・楽しいイベントや旅行の余韻がある
・やるべきことが溜まっていて焦

といった状態になりやすいです。
知らず知らずのうちに活動量やテンションが上がり、「軽躁状態」に突入してしまうケースがあります。

こんな行動が出ていたら要注意かも?

以下のような変化がある場合は、軽躁の入り口かもしれません。

・睡眠時間が減っても平気
・気分がハイで、冗舌になる
・次々と予定を詰め込む
・自分のアイデアがすごい!と思って止まらない
・買い物や計画を勢いで進めてしまう

「元気になっただけ」と思いがちですが、こうした変化が続くと一気に波が崩れ、後にうつへ反転する可能性もあります。


やることは7割にとどめる

調子がいいときほど、「よし、いろいろ取り戻すぞ!」とフル回転したくなりますが、それは体調管理の面では危険信号。

私は「やることリスト」は作っても、実行するのは“7割”までと決めています。

「まだできるのに、物足りない…」と感じるかもしれません。
でもその“物足りなさ”こそが、今の自分にブレーキをかける重要なサインです。

「物足りない」は悪じゃない、むしろ味方

元気なときに100%の力で動いてしまうと、後になって疲れや寝不足がたまり、
結果として「軽躁→反動でうつ」という流れにハマってしまうことがあります。

あえて余裕を残すことで

・疲れが溜まりにくい
・睡眠が安定する
・翌日も安定して過ごせる

といった大きなメリットが得られるのです。

私も昔は「できるうちにやらなきゃ」と焦っていましたが、
今では「やりすぎないこと」がむしろ病気と上手く付き合うコツだと感じています。

7割で抑えるためのちょっとした工夫

  • TODOリストは最大3つまで
  • スケジュールに「空白時間」を意識して入れる
  • 「終わってないけど、今日はここまで」と区切る
  • できなかったことを責めない

「余裕を残すこと」は怠けることではなく、未来の自分のための準備です。
特に、頑張りすぎて調子を崩しがちな方ほど、この7割ルールは効果的です。

活動量・睡眠・記録で自分を整える

躁のサインに気づくには、「自分の変化に気づける仕組み」が必要です。

特に大切なのが次の3つです。

  1. 活動量のチェック
     → 歩数や外出頻度、会話の多さなどを振り返る
  2. 睡眠の記録
     → 「寝つき・途中覚醒・睡眠時間」をざっくりでも記録
  3. 気分の記録
     → 1日1回、-2(うつより)~+2(躁より)で簡単に気分チェック

周囲と連携して気づける工夫

もし信頼できる家族やパートナー、友人などがいれば、
「最近ちょっと元気すぎたら教えて」とあらかじめ伝えておくのも有効です。
自分では「今ちょうどいい」と思っていても、他人から見るとテンションが高すぎたり、会話が早口になっていたりすることがあります。

おわりに|物足りないくらいが、ちょうどいい

お盆明けなどの休暇後、「元気が出てきた」と思えるのは素晴らしいことです。

でも、その“元気”が少し突き抜けていたら、
「今、ちょっと気をつけたほうがいいかも」と、立ち止まってみてください。

物足りない=うまくいっている証拠かもしれません。
焦らず、ゆっくり、ほどほどに。
無理のない範囲で長期休暇を過ごし、病状の安定に努めていきましょう。

注意事項

※本コラムは、双極症に関する経験や知識をもとに執筆されたものであり、すべての方に当てはまる内容ではありません。
個別の診断や治療については、必ず主治医等の専門家とご相談ください。

以上

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この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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