ネット心理教育ピアサポート(以下、ネット心理教育とする)は、双極症およびその他の精神疾患を抱える人が オンラインで受けられる心理教育を提供しています。「オンライン」で開催されるため、住んでいる場所に関係なく どこからでも手軽にアクセスし、参加することが可能です。
心理教育を受けることは、双極症の症状がなく安定した状態である「寛解状態」を維持するために有効です。
心理教育とは、精神疾患を含む受容が難しい問題を持つ当事者や家族が、専門職などから心理的配慮に沿った支援を受け、正しい情報を身につけていくことです。
双極症においては、病気と治療についての知識を学び、病状の自己管理と適切な治療法についての理解を深めることを目的とした心理社会的支援の一つです。双極症においては2年以内の寛解率が、心理教育を受けなかったグループの4倍となる研究結果があります*。
ネット心理教育ピアサポートではスペインのバルセロナ大学で開発された、通称バルセロナプログラムをベースにプログラムを構築しています。
本プログラムに参加することによって、おそらく双極症を持つ当事者の方は、積極的に治療に参加する気持ちをもち、再発予防を心がけることができるでしょう。
さらに、薬物治療だけでなく、長期的な病気との付き合い方を学べ、対処法も学ぶことができます。
本プログラムでは、単にレクチャーを受講するだけではなく、グループワークで過去を振り返って気分の変動の波をグラフ化したり、生活習慣の管理方法、再発予防のためのセルフチェック方法を学んでいきます。
参考文献
*Colom F, Vieta E, Martinez-Aran A, Reinares M, Goikolea JM, Benabarre A, Torrent C, Comes M, Corbella B, Parramon G, Corominas J. A randomized trial on the efficacy of group psychoeducation in the prophylaxis of recurrences in bipolar patients whose disease is in remission. Arch Gen Psychiatry. 2003 Apr;60(4):402-7. doi: 10.1001/archpsyc.60.4.402. PMID: 12695318.
ネット心理教育代表・薬剤師
藤田 剛
双極症とADHDの当事者。20代で気分の変動を感じたが、50代でようやく双極症と診断される。躁状態での起業・上場、うつ状態でのリタイアを経験し、双極症の複雑さとそれに伴う挑戦と挫折を深く体感した。そのことを契機に、ネット心理教育を立ち上げ、双極症を持つ人々への心理教育と環境改善への貢献を開始した。精神疾患を持つ人々が社会参加し豊かな人生を送れることに寄与できることを生涯最後ののミッションとして掲げ邁進している。
公認心理師・社会福祉士
木野内 南
藤田と共にネット心理教育を立ち上げる。双極症、ADHD、ASDの当事者。小学生の頃から不眠症と診断・治療されていたが、20代後半で双極症へと診断が変わった。現在でも小さな波はあるが、双極症と共に生きる方法を模索したいと考えている。ネット心理教育がエビデンスに基づく活動であり続けるために、精神疾患に関連する研究を行っていきたいと考える、医学系研究科の博士課程院生。
双極症についてお悩みの当事者・ご家族の方
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