双極症(双極性障害)と睡眠:寝る前の行動と寝室環境を整える

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睡眠薬に頼らない寝室の環境整備

双極症を患う方で、睡眠薬を服薬している方は多いでしょう。
それでも眠れない・睡眠の質が悪くて困っている…ということも耳にします。
それは、「寝室の環境」が影響しているかもしれません。一緒に考えていきましょう。

室温・湿度は快適ですか?

室温や湿度が適していないと、体温調節のために自律神経が働き続け、睡眠の質が低下する可能性があります。
うつ状態の引き金にもなりやすいです。
寝室の適温は季節によって異なりますが、夏は26~28℃程度、 冬は18~20℃程度。
湿度は40~60%程度がよいとされています。
エアコン・加湿器・除湿機能などを積極的に活用しましょう。

寝室は休みやすい環境(レイアウト・音)になっているか

左右の画像を比較すると、大体の方が左の寝室が寝付きやすそうと感じるのではないでしょうか。
できるだけ刺激のない環境がおすすめ。ポスターや装飾で可愛くするのはNG。
また、「音」も睡眠の質にとっては大切です。30db程度の騒音から睡眠へ悪影響が生じます。
30dbは鉛筆での筆記音ぐらい。テレビは60dbなので、睡眠の質の妨げになります。
布団や寝室の配置も考えなければいけませんね。
騒音が気になる方は、リラックスできる音楽をかけ、段々とフェードアウトしていくのがおすすめ。

換気が睡眠の質を高める

こちらは寝室の二酸化炭素量(CO2)をあらわしたグラフです。
換気をしない場合、二酸化炭素量が急激に上昇しています。
就寝時には2Lのボトル1800本ほどの空気を吸っているデータもあり、CO2が多いと息苦しいのは当然です。
少しだけ寝室のドアを開けるだけで違うかもしれませんね。

寝る前や寝室の光調整

就寝前の行動や寝室にて、光を浴びすぎないようにするのが大切です。
家庭の照明であっても、長時間浴びると体内時計(概日リズム)が遅れます。
自然な眠気を誘うホルモン「メラトニン」は150ルクス以下で分泌が促されます。
リビングの光は500~600ルクス、コンビニは1000ルクス、晴天時の太陽;10万ルクスあります。
夜に買い物に行かない、照明を暗くするなど調整をして、寝るようスイッチを入れることが大切です。

枕やマットレスの調整

最近は専門店なども増えており、店頭で試して買うことも多いでしょう。
いざ使ってみると、「意外と寝にくいな…」と感じたことありませんか?
それもそのはず。店頭では実際に「寝る」するわけではないので、感覚が違うのは当たり前。
いくら店頭で「いいな」と思っても、自宅で感覚が違うのがほとんどです。
購入後使ってみて、調整できる枕やマットレスを選ぶのがおすすめです。

まとめ:環境整備で睡眠の質は変わる!

睡眠薬に頼るだけでなく、寝る前や寝室の環境を整えることが大切です。
意外と寝る前の行動や寝室の環境は見逃しがちです。
年末年始のこの時期、大掃除と同時に見直してみてはいかがでしょうか。

参考サイト

001151834.pdf
寝室における受忍限度の音量とは | 窓の防音対策【いい防音】
快眠のための環境作り | 健康長寿ネット

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この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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