寒い季節を乗り切る!双極症の方のためのお風呂の倒し方ガイド!

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~心理社会的支援の視点から考える冬のセルフケア~

寒さが日に日に増してくるこの季節、多くの方がお風呂に入るのを躊躇してしまう時期となってきました。特に双極症(双極性障害)の方にとって、この季節のお風呂時間は大きなチャレンジとなることが少なくありません。今回は、心理療法や心理社会的支援の視点から、寒い季節のお風呂との向き合い方について考えていきたいと思います。

お風呂との複雑な関係性を紐解く

過去実施したアンケートで、驚くべき結果が明らかになりました。「お風呂とは何か」という質問に対し、実に42.2%の方が「倒すべきもの」と回答。続いて「清潔を保つ日課」が35.6%、「リラックスの方法」がわずか15.6%という結果でした。コメント欄には「寝るための準備」という声も見られ、お風呂が「強敵でありリラックスできるもの」という両極端な感情を引き起こしていることが浮き彫りとなりました。

双極症と冬季のお風呂の深い関係

心理社会的療法の観点から見ると、双極症の方がお風呂に困難を感じる背景には、複雑な要因が絡み合っています。特にうつ状態の際は、基本的な衛生習慣を維持することすら大きな壁となります。さらに冬季は、この課題がより顕著になります。部屋と浴室の温度差が大きくなることで、入浴への心理的ハードルが一層高くなるためです。

寒い季節のお風呂は、単なる身体的な負担だけでなく、心理的な重圧としても感じられます。温かい部屋から寒い脱衣所へ、そして浴室への移動。この一連の流れが、大きな課題として立ちはだかるのです。

認知行動療法を活用した冬のお風呂対策

寒い季節のお風呂との付き合い方を考える上で、認知行動療法の考え方が非常に参考になります。まず重要なのは、「環境づくり」です。脱衣所に小型のヒーターを設置したり、浴室を予め暖めておくことで、温度差によるストレスを大幅に軽減できます。これは単なる快適さの追求ではなく、入浴への心理的バリアを下げる重要な取り組みとなります。

また、双極症の方にとって、日常的な習慣を確立することは心理社会的支援の重要な要素です。例えば、毎日同じ時間に自動でお湯を張る設定にしておくことで、「入らなければ」という適度なプレッシャーを作ることができます。せっかく張ったお湯を無駄にしたくないという気持ちが、行動のきっかけとなるのです。

お風呂を楽しみに変えるための工夫

寒い季節のお風呂を、苦痛から楽しみに変えていくための工夫もあります。お気に入りの入浴剤を用意したり、好きな音楽やポッドキャストを聴ける環境を整えることで、お風呂の時間が特別な癒しの時間へと変わっていきます。防水の本立てを設置して読書タイムを作るのも、お風呂の時間を前向きに捉えるきっかけとなるでしょう。

お風呂がもたらす治療的な効果

温かいお湯には、心身をリラックスさせる素晴らしい効果があります。特に寒い季節は、この温熱効果がより顕著に感じられます。筋肉の緊張が和らぎ、日々のストレスが溶けていくような感覚を味わうことができます。また、適度な温かさは睡眠の質を向上させ、心のリフレッシュにもつながります。これらの効果は、双極症の症状管理にも良い影響を与える可能性を秘めています。

寒い季節を乗り切るためのアプローチ

冬のお風呂対策として、事前の準備が非常に重要です。入浴30分前から脱衣所と浴室を暖めておくことで、急激な温度変化を防ぐことができます。着替えは予め温かい場所に用意し、バスタオルも温めておくと、より快適な入浴体験が実現できます。

また、布団の中で服を脱ぐことで、寒い脱衣所での滞在時間を最小限に抑えることができます。シャワーを使う際は、最初からお湯を出しておくことで、冷水に触れるストレスを避けることができるでしょう。

心理的なモチベーション維持が重要です。入浴後の心地よさを意識的に記憶し、それを小さな成功体験として捉えることで、次回への前向きな気持ちを育てることができます。時には、お風呂に入れた自分へのご褒美を用意するのも、良いアイデアかもしれません。

まとめ:冬のお風呂を味方につける

双極症(双極性障害)を持つ私たちにとって、寒い季節のお風呂は特に大きなチャレンジとなります。しかし、適切な準備と工夫があれば、徐々に楽しみな時間に変えていくことができます。一度にすべてを完璧にする必要はありません。できることから少しずつ始め、自分なりのペースで、冬のお風呂時間との付き合い方を見つけていきましょう。

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この記事を書いた人

双極性障害Ⅱ型の当事者「ハック "Hack"」と言います。私自身の安定のためにも、「ハック」を収集しています。この病気は一生続きます。だから皆の知恵を集めて知りたい。知ることが必ずしも治療を意味しないかもしれません。でも、より良い安定への道を照らすかも。みんなで学び、共感し、サポートし合いたいです!

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