双極症(双極性障害)のリハビリテーション:再発防止のためにできること

双極症は、体調や気分が変動する脳の病気です。
躁やうつ状態のほかに、症状がない時期もありますが、再発しやすい病気といえます。
この度、「NPO法人ネット心理教育ピアサポート」は双極症についてのオリジナルパンフレットを作成しました。
上記をもとに、なぜ再発防止が必要かを考えていきたいと思います。
また、パンフレットはNTT東日本関東病院の秋山剛先生に監修していただきました。
秋山先生は、私たちがオンラインレクチャーやグループワークで参照している『双極性障害の心理教育マニュアル』を監訳した先生です。

目次

再発防止のためにできること

双極症の患者であるあなたが治療に関わることにより、双極症の躁/軽躁やうつの変動の幅を小さくしたり、寛解状態を長く保つことが可能です。
あなたが取り組むこととは、患者であるあなたにしかできないことです。

①病気や治療について学ぼう!

双極症の治療においては、患者であるあなたの寛解状態における取り組みが重要です。
そのために、双極症という病気について、その治療法について、知識を持っておくことが大切です。
そして、「どのようなゴールを目指すのか」「どのような治療法を選択するのか」を主治医と話し合いながら治療を進めていきましょう。

あなたが目指したいゴールに達成する方法を主治医と話し合って決めていくことを
「SDM」:シェアード・ディシジョン・メイキングといいます。

②日常生活において3つの項目を守る

・薬をきちんと飲む

症状がなくなると薬を飲むのを止めたくなってしまうかもしれません。
しかし、服薬を止めると再発するリスクが高くなります。
勝手に中止したり減量したりせず、必ず主治医と相談するようにしてください。

・規則正しい生活を守る

乱れた生活は躁やうつの発症の引き金になります。
特に睡眠時間が短くなると躁/軽躁状態を招きやすいといわれています。

・ストレスマネジメント

ストレスがきっかけとなり、躁やうつの症状が引き起こされることがあります。
ネガティブな内容のみならず、ポジティブな出来事でもストレスになりうることがあります。
日常生活に何か「変化」があったときには、新たに躁やうつが起こらないように意識して過ごしましょう。

③体調や気分を自己チェックして、主治医と共有する!

双極症では、体調や気分が変動します。
変動になるべく早く気づき、早く対処すれば、躁/軽躁、うつの変動の幅を小さくすることができます。
変動の幅を小さくできればできるほど、生活への支障は軽くなり、自分が送りたい人生を続けていくことができます。
そのためには、自分の体調や気分をチェックして、主治医と相談する習慣をつけましょう。

まとめ

双極症を患う者にとって、症状の再発は辛いものです。寛解期間を長くするに越したことはありません。
再発するにしても、変動の幅は小さくしたいですよね。
自身で行える再発防止策を確立し、寛解状態を長く保つ努力をしてみましょう。
皆様の生活、人生が豊かになる一助になれば幸いです。

参考サイト

ネット心理教育 A4パンフレットOL 01のコピー
SDM(共同意思決定)とは?患者と医師が協力する医療の在り方|医師向けお役立ち情報

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この記事を書いた人

作業療法士(OT)で双極性障害Ⅱ型当事者。妻と猫の3人暮らし。
最近短時間就労を始める。
作業療法士という医療職として、双極症の知識や個人でも行える作業療法の技術をお伝えできればと思っています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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