双極症に関する書籍14冊を一挙にご紹介:初心者向け、当事者向け、専門書、心理療法、心理教育に分類

NPO法人ネット心理教育ピアサポート 理事長 薬剤師 藤田 剛

双極症について学べる本は少しずつ増えてきましたが、「最初に何を読めばよいのかわからない」「当事者向けと専門書の違いがわかりにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、双極症に関する代表的な書籍を、初心者向け、当事者向け、専門書、心理療法、心理教育の5つに分けて整理しました。

本を読むことは、知識を増やすだけではありません。自分の状態を理解したり、再発予防を考えたり、家族や支援者と話しやすくなったりするきっかけにもなります。

目次

解説よりも先に、まずまとめ!!

  • 最初の1冊としては、『これだけは知っておきたい双極症 第3版』がおすすめです。
  • その次に読むなら、『本人と家族のための双極症サバイバルガイド』が実用的です。
  • 専門家や支援者が軸にしやすいのは、『双極症 第4版』『日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023』です。
  • 心理教育の実践を考えるなら、『双極性障害の心理教育マニュアル』が代表的です。

どの本がよいかは、今の自分の状態や、知りたいことによって変わります。無理に難しい本から入らず、読みやすいものから始めるのがおすすめです。

双極症の本を分類してみると

分類代表的な書籍主な対象特徴
初心者向け『これだけは知っておきたい双極症 第3版(2024)』
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『ウルトラ図解 双極性障害(2021)』
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本人・家族・支援者病気の全体像をやさしく理解しやすい入門書です。
当事者向け『双極症とつきあうために Ver.11(2024)』
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『本人と家族のための双極症サバイバルガイド(2023)』
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『もっと知りたい双極症 第2版(2024)』
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『みんなの双極症 日常の悩みから最新知識まで(2021)』
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『ちょっとのコツでうまくいく! 躁うつの波と付き合いながら働く方法(2024)』
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本人・家族・働く当事者生活上の困りごと、再発予防、働き方など、日常に近いテーマを扱います。
専門書『双極症 第4版(2023)』
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『日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023(2023)』
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医療者・研究者・支援者診断、治療、薬理、、研究、心理社会的支援などを体系的に学べます。
心理療法『双極性障害の認知行動療法(2012)』
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『双極性障害の家族焦点化療法(2017)』
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『双極症のための社会リズム療法ワークブック』(2025)』
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『対人関係・社会リズム療法でラクになる「双極性障害」の本(2020)』
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臨床家・支援者・本人・家族CBT、FFT、IPSRTなど、心理社会的治療を学ぶための本です。
心理教育『双極性障害の心理教育マニュアル:患者に何を、どう伝えるか(2012)』
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医療者・心理教育実施者・支援者病気、治療、再発予防を体系的に学び、共有するための土台になります。

まず読むなら、この順番がおすすめ

当事者・家族・初学者の方にとって、比較的負担が少ない読み方は次の順番ですが、双極症について全くご存じない方は、

スマイルナビゲーターこころシェアなど製薬会社が支援しているサイトをお読みになるか、必要ならば小冊子を無料でダウンロードできますので、まずこちらをごらんになることをおすすめします。

そのうえで書店で購入できる書籍としては、こんな順番でお読みになってはいかがでしょうか。

  1. これだけは知っておきたい双極症 第3版(最初はまずこれ!)
  2. 双極症とつきあうために Ver.11(日本うつ病学会ホームページより無料でダウンロード可能)
  3. もっと知りたい双極症 第2版 ココロの健康シリーズ
  4. ちょっとのコツでうまくいく! 躁うつの波と付き合いながら働く方法(社会生活を意識)

最初から専門書に入ると、情報量が多くて疲れてしまうことがあります。まずは図解や入門書で全体像をつかみ、そのあとに実践的な本へ進む方が入りやすいことが多いです。

双極症に関連した領域はどんどん進歩しています。例えば疾患名も 躁うつ病 ⇒ 双極性障害 ⇒ 双極症 と変わってきました。治療についても新しく開発された薬剤が加わったりしていますので、書籍についても出版年を意識して購読してください。

心理社会的支援を学ぶうえで大切な視点

双極症の学習では、病気の理解 → 治療の理解 → 自分の状態の観察 → 再発予防 → 家族や支援者との共有という流れが実用的です。

また、双極症では薬物療法だけでなく、心理社会的支援も大切です。書籍で学ぶ場合も、次のような領域を意識すると整理しやすくなります。

領域 一言でいうと代表書籍
心理教育病気・治療・再発予防を体系的に学ぶ『双極性障害の心理教育マニュアル』
CBT考え方・行動・再発サインを整理する『双極性障害の認知行動療法』
FFT家族との関係、会話、問題解決を整える『双極性障害の家族焦点化療法』
IPSRT睡眠・生活リズム・対人関係を整える『対人関係・社会リズム療法でラクになる「双極性障害」の本』

当事者会・心理教育ゼミで使うなら

NPOや当事者会、心理教育ゼミで活用するなら、目的ごとに使い分けるとわかりやすいです。

用途おすすめ
参加前の導入『これだけは知っておきたい双極症 第3版』
家族にも渡す本『本人と家族のための双極症サバイバルガイド』
無料配布・事前学習『双極症とつきあうために』
講師・ファシリテーター向け『双極性障害の心理教育マニュアル』
臨床的な裏付け『日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023』

おわりに

双極症についての本は、読む目的によって役割が変わります。

「病気の全体像を知りたい」のか、「日常生活の困りごとを整理したい」のか、「家族として学びたい」のか、「支援者として体系的に学びたい」のかで、選ぶ本は違ってきます。

苦しくつらい時期には、難しい本を無理に読む必要はありません。図解や入門書、無料で読める資料から始めるだけでも十分意味があります。

ご自身やご家族、支援の場に合った1冊を見つけるきっかけになればうれしいです。


※注意
古い本は悪い本ではありませんが、薬物療法・診断名・ガイドラインの表現は更新されることがあります。できれば最新版も併用してください。

※補足
当事者向けには、専門書から入るよりも、図解・Q&A・体験に近い本から入る方が安全なことがあります。

※大切な点
書籍は医療判断の代わりではありません。薬の変更、診断、治療方針については、必ず主治医などの専門家と相談しながら進めてください。

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この記事を書いた人

NPO法人。ネット心理教育では、双極性障害の知識や治療法の情報をYouTube動画とZoomのグループワークで広めています。心理教育とは、病気や治療に関する知識を身につけ『生きる力』にするための心理療法の一つです。

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