双極症の動画図書館:目録 全35回ガイド


NPO法人ネット心理教育ピアサポート|双極症の動画図書館
双極症の動画図書館 目録
全35回ガイド
「双極症について、何から学べばいいのかわからない」。そんな時の入口になるように、 全35回の動画と解説コラムを6つの「本棚」に整理しました。 第1回から順番に見ても、今の自分に必要なテーマから選んでも大丈夫です。
双極症の心理教育では、病気の名前や症状を覚えることだけが目的ではありません。 自分の気分の波に気づき、生活を整え、困った時に医療者や周囲の人と相談しやすくすることも大切です。 この35回シリーズでは、基本的な理解から、睡眠・生活、具体的な困りごと、治療、家族・支援、再発予防までを短い動画とWeb解説コラムに分けて解説しています。
2026年6月公開の全30回目録をもとに、治療・情報リテラシー・妊娠出産・医療以外の支援・次の学びへの導線を加えて再構成した35回版です。 本目録は2026年8月時点の構成に基づいています。
6つの本棚
双極症について学ぶ内容は広く、最初から全部を理解しようとすると負担になることがあります。 そこで、35回を役割の異なる6つの本棚に分けました。
35回版で広がったテーマ
30回版の骨格を残しながら、次のような内容を追加・再配置しています。
- 第21回:治療を薬だけでなく、睡眠・記録・相談・再発予防まで含む「全体像」として見る
- 第27回:ネット情報や体験談、ガイドラインを安全に読むための情報リテラシー
- 第28回:妊娠・出産・子育て、家族歴や遺伝への不安を「早めに相談するテーマ」として扱う
- 第31回:心理教育、心理療法、当事者会、家族支援、社会福祉制度など医療以外の支えを知る
- 第34回:35回で終わらず、薬・仕事・制度・家族支援などの深掘りコンテンツへつなぐ
第1部:双極症の基本を知る
まず「双極症とは何か」をつかむ入口です。うつ病との違い、躁状態・軽躁状態、穏やかな時期の意味を整理します。
双極症ってどんな病気?
双極症は、うつ状態と躁・軽躁状態を含む気分の波の病気であることを説明します。まず全体像をつかむ入口回。
この回のポイント:双極症は、気分・活動・睡眠の波を理解し、主治医と連携しながらつきあう病気です。
うつ病と双極症は何が違うの?
うつ状態は共通するが、躁・軽躁の有無が重要であることを説明します。自己判断ではなく、主治医に伝える視点を強調します。
この回のポイント:違いの鍵は、うつ状態に加えて躁・軽躁の時期があったかどうかです。
躁状態とは?
気分の高まり、活動性の増加、睡眠欲求の低下、浪費、対人トラブルなどを整理します。本人が気づきにくい点も扱います。
この回のポイント:躁状態は、心のエネルギーが過剰になり、睡眠・活動・判断に強く影響する状態です。
軽躁状態とは?
軽躁は「調子がいい」と見えやすいが、後から反動やトラブルにつながることがあると説明します。早期サインとして扱います。
この回のポイント:軽躁は、調子のよさに見えやすい“上がりすぎの入口”として注意する状態です。
双極症には穏やかな時期もある
双極症は常に症状が強いわけではなく、安定期があることを伝えます。安定期こそ学びと備えの時間になる。
この回のポイント:穏やかな時期こそ、再発予防の準備を進める大切な時間です。
第2部:気分の波に気づく
今の状態を言葉にし、躁・うつの兆しや混合状態に早めに気づくための本棚です。記録の意味も扱います。
気分の4つの状態を知ろう
躁・軽躁・フラット・うつ・混合状態を整理します。自分の状態に名前をつけることの意味を伝えます。
この回のポイント:躁・抑うつ・混合・寛解を区別すると、自分の波を言葉にしやすくなります。
躁とうつの兆しに気づく
躁とうつの兆しを、気分だけでなく行動の方向で見る回。うつの兆しは「減る・遅れる・避ける」、躁・軽躁の兆しは「増える・速くなる・広がりすぎる」と整理し、いつもの自分との違いを短くメモして主治医に伝えます。
この回のポイント:兆しは「いつもの自分との違い」と「行動の方向」で見つけ、短くメモして主治医に伝えます。
うつ状態のサインを知る
動けなさ、疲労感、自己否定、楽しめなさなどを症状として説明します。「怠け」ではないと伝えます。
この回のポイント:うつ状態は、気合い不足ではなく、心身のエネルギーが下がる状態です。
混合状態って何?
気分は落ちているのに、焦り・イライラ・衝動性が強い状態を説明します。つらさが強くなりやすいため、早めの相談を促します。
この回のポイント:混合状態は、落ち込みと焦り・イライラ・衝動性が重なりやすい状態です。
自分の波を記録する意味
気分、睡眠、服薬、出来事を記録することで、主治医との相談がしやすくなることを紹介します。完璧を求めない記録をすすめます。
この回のポイント:短い記録は、自分の波を見つけ、主治医と相談するための手がかりになります。
第3部:睡眠と生活リズム
睡眠、朝の光、予定の入れ方、休み方など、日々の生活を整え、気分の波を大きくしにくくする工夫を学びます。
双極症と睡眠はなぜ関係が深い?
睡眠の乱れが気分の波と関係しやすいことを説明します。睡眠はセルフケアの中心であると伝えます。
この回のポイント:双極症では、睡眠の乱れは気分の波のサインであり、セルフケアの中心です。
寝る時間・起きる時間を整える
睡眠時間だけでなく、就寝・起床時刻の安定が大切であることを説明します。生活リズムの基本回。
この回のポイント:就寝・起床時刻をなるべく安定させることが、気分の波を小さくする土台になります。
朝の光と生活リズム
朝の光、食事、活動開始のタイミングなど、体内時計を整える工夫を紹介します。専門用語は使いすぎない。
この回のポイント:朝の光・食事・活動開始をそろえると、生活リズムを整えやすくなります。
予定を入れすぎない工夫
軽躁や再発の前に予定を詰め込みすぎることがある。スケジュールに余白を作る考え方を伝えます。
この回のポイント:予定に余白を作ることは、双極症の波を大きくしないためのセルフケアです。
疲れた時の休み方
休むことへの罪悪感を減らし、早めに休むことが再発予防につながると説明します。
この回のポイント:疲れた時に早めに休むことは、波を大きくしないための大切な対処です。
第4部:困りごとへの対処
浪費、人間関係、イライラ、大きな決断、うつ状態での過ごし方など、生活の中で起こりやすい具体的な困りごとを扱います。
浪費が心配なとき
躁・軽躁時に買い物や契約が増えることがある。カード管理、相談相手、購入前の待機時間などの工夫を紹介します。
この回のポイント:浪費が心配な時は、気分が上がる前提で“止まる仕組み”を作っておきます。
人間関係でトラブルが増えるとき
話しすぎる、強く言いすぎる、急に距離を詰めるなどの変化を扱います。自分を責めず、早めに気づく視点を伝えます。
この回のポイント:人間関係の変化は、気分の波に早く気づく手がかりになります。
怒りっぽさ・イライラへの対処
双極症では気分の高まりだけでなく、イライラが目立つこともある。刺激を減らす、休む、相談する工夫を紹介します。
この回のポイント:イライラが強い時は、刺激を減らし、休み、早めに相談するサインです。
大きな決断はいつする?
退職、転職、引っ越し、離婚、契約などの重大決断は、気分が不安定な時期には慎重に扱うことを伝えます。
この回のポイント:大きな決断は、波が落ち着いた時期に、相談しながら扱いましょう。
うつ状態での過ごし方
うつ状態では、無理を減らし、安全と回復を優先します。予定や役割を小さくし、睡眠・食事・服薬・受診など最低限の生活の土台を守る考え方を整理します。死にたい気持ちや自傷の衝動など危険なサインがある時は、一人で抱えず早めに相談することも扱います。
この回のポイント:うつ状態では、無理を減らし、安全と回復を優先します。
第5部:治療・薬・主治医との連携
治療全体の見取り図、治療目標、薬、診察、情報の読み方、妊娠・出産・家族のことまで、医療と上手につながるための基礎を整理します。
双極症の治療全体を見渡す
治療編の入口として、薬、睡眠・生活リズム、記録、主治医との相談、再発予防を1枚の地図として整理します。詳細な薬剤・心理療法・制度はサブシリーズにつなげます。
この回のポイント:双極症の治療は、症状を抑えるだけでなく、再発を減らし、生活を守るための総合的な取り組みです。
双極症の治療は何を目指すの?
治療の目的は、症状を抑えるだけでなく、再発予防、生活の安定、本人らしい暮らしを守ることだと説明します。
この回のポイント:双極症の治療は、症状を和らげ、再発を防ぎ、生活の安定を守ることを目指します。
薬はなぜ続けるの?
薬には症状を和らげる役割と、再発予防の役割があることを説明します。中止・変更は主治医と相談することを強調します。
この回のポイント:薬を続ける意味は、症状を抑えることと再発を防ぐことの両方にあります。
薬で困った時の相談
副作用、眠気、体重増加、手のふるえ、検査・モニタリングなど、薬の困りごとは我慢だけでなく相談してよいと伝えます。詳細な薬剤別説明はサブシリーズにつなげます。
この回のポイント:薬の困りごとは、我慢か中止かの二択ではなく、相談して調整するテーマです。
主治医に何を伝えればいい?
気分、睡眠、服薬、副作用、生活の変化、家族から見た変化など、診察で伝える項目を整理します。
この回のポイント:診察では、気分・睡眠・服薬・副作用・生活の変化を短く具体的に伝えましょう。
診察時間を上手に使うコツ
メモを持参する、優先順位を決める、前回からの変化を伝えるなど、短時間診察で役立つ準備を紹介します。
この回のポイント:診察前に優先順位を決めると、短い時間でも大事な相談をしやすくなります。
双極症の情報を安全に読む
ネット情報、体験談、ガイドライン、当事者向け資料の役割を整理し、情報に振り回されないための読み方を扱います。
この回のポイント:情報は“誰が・いつ・何を根拠に”書いたかを見て、主治医との相談材料にしましょう。
双極症と妊娠・出産・家族のこと
妊娠・出産・子育て、家族歴や遺伝への不安を、怖がらせず、早めに相談するテーマとして扱います。薬剤別の詳細や遺伝学はサブシリーズにつなげます。
この回のポイント:妊娠・出産・家族のことは、あきらめる前に、早めに相談して準備するテーマです。
第6部:支え合いとこれから
家族や周囲との共有、医療以外の支え、再発予防プラン、心理教育、次の学びへの道案内を経て、「双極症とともに生きる」視点につなげます。
家族や周囲にどう伝える?
病気の説明、困った時のサイン、してほしいこと・してほしくないことを共有する方法を紹介します。
この回のポイント:家族や周囲には、病気の説明よりも“サインとお願い”を具体的に共有すると伝わりやすくなります。
家族はどう関わればいい?
家族は監視役ではなく、早めに気づく協力者になれることを伝えます。本人の尊厳を守る声かけを扱います。
この回のポイント:家族は、監視ではなく、早めに気づき一緒に相談につなげる協力者になれます。
医療以外の支えを使う
心理教育、心理療法、当事者会、家族支援、社会福祉制度など、医療以外にも使える支えがあることを入口として伝えます。制度詳細はサブシリーズにつなげます。
この回のポイント:双極症では、医療だけで抱え込まず、心理社会的支援や制度を使って生活を支えてよいのです。
再発予防プランを作ろう
自分の早期サイン、相談先、休む基準、避けたい行動などをまとめる。ゼミ的な実践回にする。
この回のポイント:再発予防プランは、きざし・相談先・休む基準を元気な時に決める道具です。
心理教育は何のためにある?
心理教育は医療と対立するものではなく、治療や生活を支える学びであると説明します。NPOの理念に直結する回。
この回のポイント:心理教育は、医療と対立せず、治療・生活・主治医との相談を支える学びです。
次に深く学ぶテーマ
本編で扱いきれない薬、社会福祉制度、家族支援、仕事、妊娠・出産、飲酒・カフェイン・市販薬などをサブシリーズに橋渡しする。
この回のポイント:大事なテーマは一度で全部わからなくて大丈夫です。必要な時に、必要な棚から深く学びましょう。
双極症とともに生きる
双極症があっても、学び、備え、人とのつながりによって暮らしを整えられることを伝えます。シリーズのまとめとゼミ導線。
この回のポイント:双極症とともに生きる道は、学び、備え、人とのつながりの中で少しずつ整えられます。
おすすめの見方
まず第1〜5回で全体像をつかみ、その後は気になるテーマへ進んでください。
第6〜10回で「いつもの自分との違い」と記録の仕方を確認できます。
第11〜15回は、睡眠・朝の光・予定・休み方を扱います。
浪費、人間関係、イライラ、決断、うつ状態など、第16〜20回から選んでください。
第21〜28回で、治療全体、薬、診察、情報、妊娠・出産などを扱います。
第29〜35回で、周囲との共有、支援、再発予防プラン、心理教育、次の学びを整理します。
※体調が悪い時に、35回すべてを見る必要はありません。「今いちばん困っていること」から1本だけ選ぶ使い方でも大丈夫です。
ご利用にあたって
- この動画シリーズと解説コラムは、診断や個別の治療方針を決めるためのものではありません。双極症の理解を助け、主治医との相談につなげるための心理教育教材です。
- 薬の中止・増減・変更は自己判断で行わず、主治医や医療チームに相談してください。
- 症状が急に強くなった時、強い不眠や著しい気分の高まりが続く時、死にたい気持ちや自傷・他害のおそれがある時は、心理教育だけで抱えず、早めに医療機関や相談先につながってください。差し迫った危険がある場合は安全確保を最優先にしてください。
- 動画やコラムで気づいたことは、診察メモ、家族との話し合い、再発予防プランの作成などに活用できます。
「完成」ではなく、更新される図書館へ
医学・心理学の知見、診療ガイドライン、薬の安全性情報、社会制度は変化します。 そのため動画図書館は、一度作って終わる教材ではなく、必要に応じて見直し・改訂する Living Library(生きた図書館)として運営します。
知識は変わる。だから更新する。
参考文献・参考資料
- 日本うつ病学会 気分障害の治療ガイドライン検討委員会・双極性障害委員会.『日本うつ病学会診療ガイドライン 双極症2023』医学書院,2023.
- 日本うつ病学会 双極症委員会.『双極症とつきあうために Ver.11』2024.
- Colom F, Vieta E. Psychoeducation Manual for Bipolar Disorder. Cambridge University Press; 2006.
- Colom F, Vieta E, Martínez-Arán A, et al. A randomized trial on the efficacy of group psychoeducation in the prophylaxis of recurrences in bipolar patients whose disease is in remission. Arch Gen Psychiatry. 2003;60(4):402-407.
- Bond K, Anderson IM. Psychoeducation for relapse prevention in bipolar disorder: a systematic review of efficacy in randomized controlled trials. Bipolar Disord. 2015;17(4):349-362.
- Rabelo JL, Cruz BF, Ferreira JDR, Viana BM, Barbosa IG. Psychoeducation in bipolar disorder: A systematic review. World J Psychiatry. 2021;11(12):1407-1424.
- NPO法人ネット心理教育ピアサポート.ゼミ参加者向け解説書・35回シリーズ入力シート.
- 双極症の動画図書館 目録|旧・全30回ガイド
- バルセロナプログラムと『双極症の動画図書館』35回シリーズの対応表
双極症の動画図書館:フロアマップ(様々な本棚紹介)



双極症の動画図書館:司書紹介

NPO法人ネット心理教育ピアサポート 副理事長
認定専門公認心理師
社会福祉士
国際双極症学会 評議員
木野内南(布団ちゃん)

薬剤師
NPO法人ネット心理教育ピアサポート 理事長
藤田剛(窓師)
双極症の動画図書館
必要な時に、必要な本棚から。
知識を、自分を責めるためではなく、自分を理解し守るために。
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